お話を伺った企業
MS&ADインターリスク総研株式会社
企業のBCP(事業継続計画)策定が重要性を増すなか、MS&ADインターリスク総研株式会社では、災害時の初動対応支援サービス「自然災害時アクションサポートサービス(以下、災サポ)」や、BCPの策定・訓練を総合的に支援する「レジリード」など、デジタルプロダクトを軸に新たな展開を進めています。
こうしたサービスの普及に向け、同社はSaleSeedのインサイドセールス支援を導入しました。
今回は、その経緯と成果について、「災サポ」担当の岡田匠子様、「レジリード」担当の浦川渚人様、そして業務をサポートする井上雅博様にお話を伺いました。
- 導入前の課題
- 営業リソース不足、ノウハウ・体制の欠如により、リードへのアプローチが滞っていた。
- 導入の決め手
- 短期間での垂直立ち上げ、臨機応変な対応、単なる代行ではない伴走支援への期待。
- 導入後の結果
- 災サポは面談数210件創出、レジリードは申し込み数倍増に貢献し、ノウハウ蓄積や社内文化変革にも繋がった。
営業リソース不足をどう乗り越えるか。BPO導入に向けた社内の変化
インサイドセールス支援を導入する以前は営業活動において、どのような課題を抱えていましたか?
岡田様:
「災サポ」では、営業リソースが極めて不足しており、リスト自体は潤沢にあったものの、アプローチにまで手が回らない状況でした。特に、セミナー開催後のフォローアップが追いつかずで、貴重な反響を取りこぼしてしまうことに大きな危機感を抱いていたんです。
浦川様:
「レジリード」も同様で、インサイドセールスに充てられる人員やノウハウが十分ではなく、積極的な営業展開ができていませんでした。電話によるアプローチもほとんど実施できておらず、主に既存顧客からの紹介や、コンサルタント経由の二次的な提案に頼っている状態でした。
井上様:
弊社が提供する中でも比較的価格帯の低いプロダクトは、ある程度の販売数を確保する必要があります。しかし当時は、専任の営業職が不在で、コンサルタントが営業活動を兼任していました。「レジリード」に至っては専任担当すらおらず、分業体制をどう構築すべきかという基本的な知見も不足していた点が、大きな課題だったと感じています。
そうした課題に対して、アウトソーシングの活用は当初から検討されていたのでしょうか?
井上様:
もともと当社は「自分たちでできる業務は社内で完結させる」という文化が強く、外部への委託はあまり選択肢として考えられていませんでした。ただ、新たなプロダクトの立ち上げにあたり、「ザ・モデル」などの営業手法を参考に必要な人員を試算したところ、社内リソースだけで目標受注数を達成するのは現実的ではないと判断しました。
そこで初めて、外部パートナーの活用を本格的に検討し始めたんです。外部パートナーを選出するにあたって、およそ50社の営業支援企業を比較対象にして検討を進めました。
そこで初めて、外部パートナーの活用を本格的に検討し始めたんです。外部パートナーを選出するにあたって、およそ50社の営業支援企業を比較対象にして検討を進めました。
その中で、SaleSeedを選定された決め手は何だったのでしょうか?
井上様:
最大の決め手となったのは、立ち上げに向けたスピード感と、それを裏打ちする対応力の高さでした。ちょうど社内体制の移行期にあり、できるだけ早期に稼働を始めたいという状況だったのですが、SaleSeedさんは当社の状況を正確に汲み取り、実現可能なスケジュールと具体的なアクションプランを提示してくれました。他の営業支援企業が慎重な姿勢を取る中で、現実的かつ前向きな提案をすぐに出してくださったのは、非常に頼もしかったですね。
また、費用感の妥当性や初期設計の実効性、さらにはインサイドセールスにとどまらない柔軟な支援体制なども大きな魅力でした。複数社を比較した中で、最も信頼してお任せできると確信し、SaleSeedさんをパートナーとして選びました。
また、費用感の妥当性や初期設計の実効性、さらにはインサイドセールスにとどまらない柔軟な支援体制なども大きな魅力でした。複数社を比較した中で、最も信頼してお任せできると確信し、SaleSeedさんをパートナーとして選びました。
期待を超える伴走支援。成果創出とノウハウ蓄積の両立
SaleSeedを導入してから、 どのような変化がありましたか?
岡田様:
「災サポ」「レジリード」の両サービスにおいて、これまで手が回っていなかったリストに対し、スピード感を持って丁寧にアプローチいただけました。単純な架電数の増加にとどまらず、週に複数回の定例ミーティングでリストの分析結果や現場の所感を共有いただく中で、「どの条件ならつながりやすいか」など、これまで社内にはなかったインサイトを得られたことも大きな収穫です。
浦川様:
インサイドセールス支援を導入した当初に現場を実際に見せていただけたことで、業務フローの全体像をしっかり把握することができました。私自身が社内から「どのように管理しているのか」と問われる立場でもありましたが、現場の状況を共有することで社内の理解が進み、連携も取りやすくなっています。また、プロフェッショナルの実務に直接触れることで、こちらからの依頼やフィードバックの質も上がり、よりスムーズに意思疎通ができるようになったと感じています。オンサイトでの支援が、業務面だけではなく意識面でも良い影響をもたらしてくれました。
特に印象に残っているエピソードがあればお教えください。
岡田様:
昨年、大規模な地震があった際の対応が非常に印象的でした。該当地域に対してのアプローチを控えるべきと判断し、翌日にご連絡を入れたところ、「すでにその地域へのアプローチはストップしています」と即座にご対応いただいていたのです。状況を的確に捉えたうえで、自主的に動いていただけたことに感動しましたし、その柔軟性と配慮には強い信頼を寄せています。
井上様:
そのような対応の積み重ねが、我々にとって非常にありがたく、当初あまり馴染みのなかったインサイドセールスという業務への理解も、SaleSeedさんとの取り組みの中で、自然と深まっていきました。
たとえば、セミナー経由での反応が良ければ実施回数を増やすなど、施策の改善が実際の数値をもとに行えるようになり、「とりあえず電話をかける」という段階から「ナーチャリングを意識した戦略的なアプローチ」へと進化できたと感じています。
たとえば、セミナー経由での反応が良ければ実施回数を増やすなど、施策の改善が実際の数値をもとに行えるようになり、「とりあえず電話をかける」という段階から「ナーチャリングを意識した戦略的なアプローチ」へと進化できたと感じています。
210件のアポ創出。他部署からの関心も高まる変化
定量的な成果として、どのような変化がありましたか?
岡田様:
「災サポ」については、もともと試験的にインサイドセールスを導入したこともあり、初期段階では具体的な目標は設定していませんでした。しかし、営業活動を進めていくうちにチーム内から「非常に効率的な施策」という声が上がり、夏頃には「インサイドセールス経由のアポイント件数」を正式なKPIとして設定するようになったんです。その結果、昨年5月から今年3月末までの間に210件のアポイントを創出することができました。これは想像以上の成果であり、定量的なインパクトは非常に大きかったと感じています。
浦川様:
「レジリード」に関しては、面談件数での定量把握が難しい側面があるのですが、申込件数をベースとして見ると、直近3カ月で昨年度の半数以上をすでに獲得しています。単純比較では2倍のペースで成果が出ており、SaleSeedさんの支援による効果は明らかだと実感しています。
他の部署からの反応や評価はいかがでしょうか?
岡田様:
他のプロダクトチームから「なぜそんなに面談が取れているのか」「どんな手法でアプローチしているのか」といった問い合わせを受ける機会が増えました。上層部の会議でも話題にのぼり、「そういったやり方もあるのか」と驚かれる場面もありましたね。これまで、当社のコンサル部門では基本的に依頼を待つスタイルが主流でしたが、デジタルプロダクトを起点にした能動的な営業活動は、社内でも新鮮な取り組みとして評価されています。限られた工数の中でも、BPOを活用することでしっかりと成果が出せるという実例を提示できている手応えがあります。
浦川様:
他部署からも「同様の施策を検討してみたい」という声が上がっており、少しずつですが社内の意識が変わりつつあることを感じます。
私たちが成果を出すことで、能動的な営業スタイルの必要性が社内でも共有され始めており、変化のきっかけになっているのではないかと思います。
私たちが成果を出すことで、能動的な営業スタイルの必要性が社内でも共有され始めており、変化のきっかけになっているのではないかと思います。
SaleSeedと共に目指す「“命を守る実効力”へ」
今後、インサイドセールス施策をどのように進化させていきたいと考えていますか?
井上様:
これからは、ナーチャリングの強化に取り組んでいきたいと考えています。昨年一年間で、単なる架電中心の営業活動から、顧客の状態に応じた戦略的なアプローチへと大きく進化できました。
現在は、そうした学びをもとに、計画的かつ継続的な施策を実行中です。今後もSaleSeedさんの支援を通じて、自社だけでは得られない示唆や新たな気づきを期待しています。単なるアウトソーシングにとどまらず、事業の成長を共に目指すパートナーとして、引き続き伴走していただけたらと思っています。
現在は、そうした学びをもとに、計画的かつ継続的な施策を実行中です。今後もSaleSeedさんの支援を通じて、自社だけでは得られない示唆や新たな気づきを期待しています。単なるアウトソーシングにとどまらず、事業の成長を共に目指すパートナーとして、引き続き伴走していただけたらと思っています。
岡田様:
セミナーを通じて「反応の良い層」が可視化されつつあり、現在はアプローチ対象や架電内容のブラッシュアップに取り組んでいます。SaleSeedさんの分析力と柔軟な対応力を活かしながら、質の高いインサイドセールスをさらに追求していくつもりです。継続的な連携を通じて、成果につながる施策を一緒に磨いていきたいと考えています。
インサイドセールスの取り組みを通じて、どのような企業像を目指しているのでしょうか?
井上様:
我々が目指すのは、単に売り上げを伸ばすことではなく、「命を守る実効力」を社会に広げていくことです。BCP(事業継続計画)は多くの企業にとって重要な経営課題である一方、「コストがかかる」「運用が複雑」といった理由で後回しにされがちです。だからこそ、私たちは現場で実践できるシンプルで扱いやすいプロダクトの提供にこだわっています。
いざというときに本当に機能するBCPが当たり前になる社会をつくるためにも、自社はコア業務に専念し、営業活動は信頼できるパートナーと協力して進めていきたいと考えています。SaleSeedさんとは、その思想を共有できており、今後も心強い存在として伴走をお願いしたいと思っています。
いざというときに本当に機能するBCPが当たり前になる社会をつくるためにも、自社はコア業務に専念し、営業活動は信頼できるパートナーと協力して進めていきたいと考えています。SaleSeedさんとは、その思想を共有できており、今後も心強い存在として伴走をお願いしたいと思っています。